健康情報クリアガイド

急に拡散された健康情報、その信頼性をどう見極めるか

Tags: 健康情報, デマ, 情報リテラシー, 信頼性, チェックポイント

インターネットやSNSの発達により、様々な情報が瞬く間に拡散されるようになりました。健康に関する情報も例外ではなく、ある日突然、特定の健康法や食品に関する情報が急激に広まることがあります。こうした情報は手軽に入手できる一方で、その中には科学的根拠に乏しいものや、明確な誤情報(デマ)が含まれている可能性も少なくありません。

急に拡散された健康情報に対して、私たちはどのように向き合い、その信頼性を判断すれば良いのでしょうか。感情的にならず、冷静に真偽を見極めるためのチェックポイントをご紹介します。

急に拡散される情報の特性と注意点

急に広がる健康情報には、いくつかの共通した特性が見られます。これらの特性を知っておくことで、情報を受け取った際に「これはもしかしたら注意が必要かもしれない」と立ち止まるきっかけになります。

急に拡散された情報の信頼性を判断するためのチェックポイント

急に目に飛び込んできた健康情報に対して、以下のチェックポイントを順に確認することで、その信頼性をより冷静かつ客観的に判断することができます。

  1. 発信元を確認する:

    • 誰が(どの組織が)その情報を発信していますか? 個人のブログやSNSアカウントでしょうか、それとも公的な機関、医療機関、専門家、信頼できるニュース媒体でしょうか。
    • その発信元は、健康情報に関して信頼できる専門性や実績を持っていますか?
    • 情報源(出典)が明記されていますか?
  2. 情報の根拠を確認する:

    • その主張の根拠として、どのような情報が示されていますか?(例: 研究論文、統計データ、公的機関の見解など)
    • 示されている根拠は具体性がありますか?(例: 「〇〇大学の△△教授らの研究(発表年)」のように、特定できる情報があるか)
    • 根拠として示されている情報源自体は信頼できるものですか?(例: 信頼できる学術雑誌に掲載された論文か、あるいは個人のブログか)
    • 根拠が一切示されていない場合は、その情報の信頼性は低いと考えられます。
  3. 他の信頼できる情報源と比較する:

    • その情報と同じ内容や、関連する情報について、他の複数の信頼できる情報源(厚生労働省、国立研究開発法人、主要な大学病院のウェブサイト、主要な報道機関など)でも確認できますか?
    • 複数の信頼できる情報源で同様の内容が確認できない場合、その情報は限定的な状況にしか当てはまらないか、誤情報である可能性が考えられます。
    • 特に、公的機関や学会の見解と大きく異なる情報は、慎重な判断が必要です。
  4. 情報の更新日付を確認する:

    • その情報はいつ発信されましたか? 情報に日付が記載されていますか?
    • 急に広まった情報が、古い日付のものでないか確認してください。医療や健康に関する情報は日々更新されています。過去の情報が現在では常識と異なっていることもあります。
  5. 表現に注意する:

    • 前述したような、感情を煽る表現、断定的・極端な表現、不安を煽る表現などが多用されていませんか?
    • 「〜だけで治る」「夢のような方法」といった、現実離れした効果を謳っていませんか?
    • これらの表現は、冷静な判断を妨げ、情報を鵜呑みにさせやすくする傾向があります。

誤った情報を他者に伝える際のポイント

もしあなたが、急に拡散された情報が誤りである可能性が高いと判断し、それを誰か(家族や友人、患者など)に伝える必要がある場合、以下の点を意識すると、相手に受け入れてもらいやすくなります。

まとめ

インターネット上で急に拡散される健康情報は、私たちの健康や日々の生活に影響を与える可能性があります。こうした情報に接した際は、すぐに真偽を判断せず、一度立ち止まって冷静に情報を見極める姿勢が重要です。

今回ご紹介した「発信元」「根拠」「他の情報源との比較」「情報の更新日付」「表現」といったチェックポイントを意識することで、情報の信頼性をより客観的に判断し、誤情報に惑わされるリスクを減らすことができます。

情報リテラシーを高めることは、自分自身の健康を守るだけでなく、周囲の人々にも正確な情報を伝えるために不可欠です。急に広まった情報に踊らされることなく、信頼できる情報に基づいて行動できるようになりましょう。